紅蓮の炎
響 side
それは、俺達がまだ幹部見習いだったときまで遡る。
俺、雄、そして今一緒に龍神の幹部を担当してくれている残りの3人は、歳は少々違えどそのときはまだ中2〜高1という年齢だった。
力を見込んでくれた当時の総長は俺達を龍神に入れてくれた
死に物狂いで上まで登りつめた。
そして、自分達がトップに立って行く。
と言うとき、先代からの引継ぎ儀式がある。
最初、龍神みんなの前で引継ぎ儀式をし、誓いをたてる。
あとで幹部室に行き龍神全員の前では言わなかった別の教えをきいた。
俺達10代目まで代々受け継がれている言葉。
それは
『南にだけは、喧嘩売るな』
ただ、それだけ。
その意味が、今ならよく分かる。
自分達の目の前で実際それを見せつけられたから。
みた瞬間、体が震えた-----
その当時、連合は既に少しだけ出来上がっていたためそこに南のパンサーが居ることは知っていた。
パンサーと言えば当時の俺達はかなり蔑んでみていた。
連合に入ってはいるもののあまり中央町には留まらず、正鈴高校に来ている奴でさえ、学校が終わるとさっさと南町に帰っていったり、
上から下まで全員仲が良く馴れ馴れしいし、年下でも先輩という枠組みで接してきた。
パンサーは龍神自体のことを尊敬したような目でみたことはなかった
それは、当時の俺を少し苛つかせた