紅蓮の炎
「こっちもいますよ永田くぅ~んっと!!!」
金属バットをなんの迷いもなく振り回してくる奴らだ。
そう、北は素手の俺達に対して武器うぃこの戦いに持ち込んでいる。
なんとか回避しながらも、辺りを見回す。
状況はちっとも変わっていねぇ
むしろ悪くなっている
仲間の数が時間とともに減りだした。
そりゃそうだ。
ここは体力との勝負でもある
「…ッチ」
自分の力の無さが腹立たしかった。
もっと…、もっともっと強くなりたい…。
「ッッッ!!」
咄嗟にかわしたがかわしきれず体に鋭い衝撃と痛みが走り、今までの疲れも伴って地面に倒れ込む。
自分で思っていたよりも体は限界に達していたみたいだ
周りを数人に囲まれ、見下ろされる
「余所見とは余裕ですねぇ~、」
こっちを馬鹿にしたように笑い、蹴りを入れてくる。
情けねぇ
こんなにあっさり倒れる自分が情けない
「グッッッ」
頭にも鋭い痛みが走る。
きっと蹴られたのだろう
「響!!」
遠くで総長の声が聞こえる。
そちらに目を向けると、
やっぱり総長が俺を見つめて「助けるからな!」と叫んでいた。
その総長の背後で
総長に向かって金属バットを振り下ろそうとする人影がみえる
「ッッ総長!!後ろッッッ」
そう叫ぶ途中で今度は腹を蹴り飛ばされる。
生理的涙を浮かべながらも総長を見やると
近くにいた幹部の人がちゃんと援護に入っていてくれた。
良かった…
「おいおい永田くんよぉ、ちょっとは自分の心配しようか、ねッ!!」
「ィッッ!」