君と歩く
「ちょっ…!!やめてよ!離して」
「なに照れてんの?早く帰るよ」
手繋いだら、本当に勘違いされちゃうでしょ?!
黒原くんには、勘違いされたくない!!
「ねぇ君だーれ?」
教室を出ようとした私と奏に話しかけて来たのは、荒川くん。
笑っているように見えるけど、目が全然笑っていない。
「あ、おと…」
「俺は、未紗の大切な人です。」
弟と言おうとした私の言葉を遮ったのは、実の弟の奏。
大切な人?
いや、大切だけど…。
突然、私の手を強引に引っ張ってきた。