君と歩く

「未紗、早く帰ろう。」
「え、あ、うん…」

どうして弟って言わなかったの?
それが、疑問で仕方なかった。


学校を出てから、奏に聞いた。
「どうして、弟って言わなかったの?」って。

そしたら、
「気分で。嫉妬させてみたかったから?かなぁー」
って、ふざけて答えてた。

嫉妬?
荒川くんが?
するわけないじゃん。
もう、何考えてんの奏は。

家について部屋に行く。
来週からテストだから、勉強しなきゃ。
苦手な数学をやろうかなぁ。

ん?

あれあれ…

……ない。

数学の教科書がない。
あ、学校に置きっぱなしだ…。
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