君と歩く
未紗side
あー、もうっ。
教科書忘れるなんて私ってほんとバカ。
英語なら得意だから、教科書なくてもいいけど、よりにもよって苦手な数学を忘れるなんて。
はぁ、ツイてない。
あれ?
教室にまだ誰かいるみたい。
声が聞こえる。
…黒原くんと荒川くんだ!
私は、入ろうとしたけど
やっぱりやめた。
だって。
「なぁ、琉。」
「あ?」
「俺、鈴木みたいな、男に媚売るような奴無理だわ。
あいつも、俺らのこと落とそうとしてただけじゃね?」
――――黒原くんが私の悪口を言っているのが聞こえたんだもん。
「は?お前何いってんの?」
「俺は、やっぱり女が嫌いだわ。」