君と歩く
それどころか、嫌われてるもん。
私、媚なんて売ったつもりないんだよ。
ただ、友達としてでも好かれたかったのに。
視界に入りたかっただけなの。
――――帰ろう。
教科書なんていいや。
もう、勉強する気にもなれないだろうな。
私が強かったら、何も聞いてないみたいなフリして教科書取りにいけたのかな。
今までどおり、接することもできるのかもしれない。
そんなの無理だよ…。
あんなに悲しいこと聞いちゃって、普通に接するなんて無理に決まってる。
勝手に涙は出てくるんだもん。
止めたくても止まらない。
私はそれほど、黒原くんのことが好きだったんだ。
惹かれてたんだ。