君と歩く
トウヤのときも、悲しかった。
でも、黒原くんに嫌われてるとわかった今のほうが悲しいし辛い。

私、立ち直れるかな。


「じゃ、そろそろ帰ろうぜ」

落ち着いたいつもと変わらない黒原くんの声が聞こえた。

やばい、こっちに来ちゃう…!!

…こうなったら、泣いてるのだけはバレないようにしよう。
 
勢い良く教室のドアを開けた。

ガラッ…―――

ギリギリのところで、鞄に入っていたマスクをつけたから顔はあんまり見えないはず。


「あれー?黒原くんと荒川くんだぁ!
どうしたのー?まだ帰ってなかったんだね。
私さ、教科書忘れちゃって取りに来たの。
ほんと馬鹿だよねぇっ…」

なんだ。
普通に出来てるじゃん。

突然教室に入ってきた私を見て2人はびっくりした顔をしている。

なんか、青ざめてない?
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