君と歩く

「みっ…未紗ちゃん?」

まるで幽霊を見た時のように青ざめて今にも倒れそうな顔色で話しかけてきた荒川くん。

「やだ、顔色悪いよ?」

ふふっと笑って教えてあげた。
でも、何も答える様子はない。

早歩きで歩いてから、自分の机のもとに行き、急いで教科書を持った。

早くこの場から逃げたい。

きっと、私の顔は、今にも泣き出しそうな顔になってると思う。

マスクあってよかった。
なかったら、すぐバレてただろうな。

私が来てから、2人とも全く動かない。

さっきの話を私に聞かれてたらって考えてるのかな。
ごめんなさい、ばっちり聞こえてました。
盗み聞きごめんね。

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