君と歩く

「未紗ちゃん顔、怖いよ〜」

いつの間に席に座っていたのかわからない荒川くんが私に、話しかけてきた。
自然に、何もありませんでしたみたいな顔で。

「えっ!やだやだ。気をつけなきゃ」

考え事してたから、眉間にシワでもよってたのかな。
恥ずかしい…。

「老化早くなっちゃうな」
「ちょ!それは、失礼じゃない?」

普通に話せてる。
いつもどおりだ。

よく考えてみれば、私のこと嫌いって言ってたのは黒原くんだけじゃん。
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