君と歩く

「カフェかぁ。未紗に似合いそうだね!よし、わかった。バイトなら仕方ないから…結城と帰ってあげよー」

口元が少し上がっている。
帰ってあげる、なんて言ってるけど、帰りたいって気持ちが、見てて伝わる。

「また、そんなこといって素直じゃないんだから」

いつもなら『うるさいなぁ!』って、照れながら言うから、てっきりそうだと思ってたら、全然違う言葉が返ってきた。

「それは、未紗もでしょ?あたし、未紗よりは素直だよ。自分の気持ちに正直に動いてるもの。逃げてばっかりの未紗とは違う。」

全てを見透かしているとでも言うように、鋭い目つきで優里は、私を見てきた。

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