君と歩く

都美は、圭吾の気持ちを知っている。
両手を手で覆って、「けいごぉぉぉっ…」と、泣いている。

「…都美さん。私はあなたが羨ましい。私ね、黒原くんのこと、好きだよ。でも、嫌われてるんだよ。都美さんは、抱いてもらえるでしょ?でも、私は…話すことすらできないんだから…」

俺の傷口を抑えながら、俯いて話している。

静まり返った体育館倉庫に、未紗ちゃんの声が響く。

そうか。
未紗ちゃんも、圭吾のことが好きなんだ。
薄々、気づいてはいた。
でも、いざ口に出されると…。

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