君と歩く
「あんな可愛い子と話したんだろ?
言い合いだとしても、羨ましいわ。」
かわいい?
アイツが?
『耳をふさげばいいでしょう?!』
なんて、理不尽なこと言ってきた奴が?
「…理解できねぇ…。」
「顔も可愛いし、スタイル抜群。
性格も明るくて優しい気配りできる子って
みんな噂してるぜ?」
顔が可愛いってゆーのは、わかる。
ぱっちりした目に、サラサラした黒髪、
ぷっくりした唇。
うん、可愛い。
だ!け!ど!
性格が優しい?
んなわけないだろ。
理不尽野郎だぞ。あいつ。
「…やっぱ理解できねぇ。
なに、琉ってあーゆーのが
タイプなの?」
琉がいつも彼女にする女は
男遊びばっかしてそーな軽い女ばっか。
顔も、いまいち。
化粧が濃い奴ばっかりなのに。
あんな、薄化粧なのかすっぴんなのか
わからねぇ童顔顔なんて
琉のタイプなわけないよな。