君と歩く

聞こえてたみたいだ。

「うぅ…っ。圭吾ぉぉぉっ………」

「ごめん、都美。
悪いのは俺だ。殴ってもいい。
だから、諦めて欲しいっ……」

俺は頭を下げた。

なんで俺、こんなに鈴木の事好きになっちまったんだろ。

「なぐれるわけ…ないでしょっ……
もう……いいよ。

……覚えておきなよ、今日のこと…。」

そう言って都美は走っていった。

俺は、都美が小さな声で
「鈴木未紗…許さないから。」
なんて、言ってることに、気づかなかった。

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