シークレットプリンセス〜玉城敬太編〜
敬太さんは
私の手を握り返す。
すると
敬太さんはぽつりぽつりと話し出す。
「俺は
父さんのこと嫌いな訳じゃない。
ただ
嫌だったんだ。
玉城篤志の息子として見られるのが。
前言ったと思うけど。
玉城篤志の息子だから
特別扱いされて嫌だった。
学校でも俺自身は褒められなかった。
俺が作品を書いても
さすが玉城篤志の息子って。
そのせいか分からないけど
俺は家に帰らず夜もほっつき歩いていた。
クラブとかでは
俺のことを玉城篤志の息子だと分からない人が沢山いる。
特別扱いもあれない。
だから好きだった。」
「敬太さん…。」
「開けるね。」
敬太さんは
震える手で手紙を開ける。
そして
深呼吸をする。
手紙は5枚に渡るものだった。
敬太さんは
ゆっくりゆっくりと手紙を読んでいった。