煙草味のキス。
和也は何をするにも自分勝手な奴だった。
『おい、今から出掛けるぞ。着替えろ』
そう言って無断で家に入ってきたり。
『今門の前。さっさと降りて来い。ダッシュだぞ、Bダッシュ』
いきなり学校に迎えに来たり。
『和子はカツ丼が食べたい。でも俺はパスタが食べたい。
よし、パスタ食べに行くぞ』
いつも自分が中心な我儘野郎。
そんな性格をした和也と数えられないほど喧嘩をした。
喧嘩をし、口論し、そして仲直りをし、恋人として絆を深めた。
最初は意味も分からず和也の隣にいたが、時が経つに連れ離れたくないと強く思うほど和也への想いを強くしていた。
あたしはいつの間にか和也のことが大好きになっていたのだ。