煙草味のキス。
「よぉ、よぉ、花嫁さん。綺麗だな」
「緑…あんたねぇ…こんな純白な花嫁の目の前で煙草吸うのやめてくれない!?
つか、マナーとしてどうよ!?」
「まぁ、まぁ。ブスは黙ってろよ」
「なんで和子はこんな奴招待したのよ!!」
「俺が出ないと始まんねぇーのよ」
「意味分かんない!その冗談面白くないわよ」
「あ?おい、ブス由。お前うるせぇから外出てけよ」
「はぁ!?なんであんたに指図されないといけないのよ!」
「いいから、ほら、出てけ、出てけ」
「このバーカ、バーカ、お前はデーベソっ!」
「母ちゃんじゃねぇのかよ…」
沙由が部屋を出て行くと、さっきまで煩かった室内が誰もいないかのように静かになった。