煙草味のキス。


「よぉ、よぉ、花嫁さん。綺麗だな」



「緑…あんたねぇ…こんな純白な花嫁の目の前で煙草吸うのやめてくれない!?

つか、マナーとしてどうよ!?」



「まぁ、まぁ。ブスは黙ってろよ」



「なんで和子はこんな奴招待したのよ!!」



「俺が出ないと始まんねぇーのよ」



「意味分かんない!その冗談面白くないわよ」



「あ?おい、ブス由。お前うるせぇから外出てけよ」



「はぁ!?なんであんたに指図されないといけないのよ!」



「いいから、ほら、出てけ、出てけ」



「このバーカ、バーカ、お前はデーベソっ!」



「母ちゃんじゃねぇのかよ…」



沙由が部屋を出て行くと、さっきまで煩かった室内が誰もいないかのように静かになった。


< 26 / 37 >

この作品をシェア

pagetop