煙草味のキス。



教会の長い赤い絨毯の上をゆっくり歩く。



まるで今までの人生を思い出すかのように…。




笑った。



泣いた。



悲しんだ。



喜んだ。




色んな記憶をゆっくりゆっくり思い出す。




「太郎くん、和子を宜しく頼むよ」



「はい」




途中で歩く相手が交代する。



そして、今度はゆっくりゆっくり未来を想像して歩く。




笑うだろう。



泣くだろう。



悲しむだろう。



喜ぶだろう。




そして、歩き終わるとみんなの前で一生の誓いをした。



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