強引男子のイジワルで甘い独占欲
「女相手にでこピンとか信じられない! 事実を言っただけじゃん!」
「だから手加減したろ」
「嘘だ! 貫通するかと思ったくらい痛かったし今も痛いよ!
もう少し強かったら貫通して後頭部穴開いてた……」
「そんなわけあるか」
「当事者がよく言うよ。これ、血出てない? 出てなくても赤くはなってない?」
眞木はそんなわけあるかともう一度呟くように言ってから私のおでこを見る。
それから不機嫌に眉を寄せた。
「睨むな。気になって確認できないだろ」
「貫通するくらい痛いでこピンしてきた相手にそんなすぐ穏やかな視線なんか送れないでしょ、普通」
眞木の無言の威圧に負けじと睨みつけていると、ため息をついた眞木が手を伸ばして私の視界を塞いだ。
左手の手のひらで私の目元を覆った眞木に、急にびっくりするでしょと文句をひとつ言ってから、そのまま目を開けているのもおかしく感じて目を閉じる。
眞木の手に覆われてはいるけれど、隙間からスクリーンの明るさが入り込んできて瞼の裏側にチラチラと動く光が映る。
曲調からすると、エンドロールももう終わりかもしれない。