強引男子のイジワルで甘い独占欲


えーっ!と驚いた女子高生たちの視線が一気に眞木と私に集まる。
だけどすぐにみんな揃ってクルリと前を向いて大人しくなったのは、眞木が険しい顔して睨んでいたからだ。

年下の女の子を本気で睨みつけるなんて大人の男としてどうなんだとも思うけれど、眞木は子どもっぽいしこういうヤツだから仕方ないし、今はそんな事どうでもいい。
おでこのキズももうどうでもいい。

「キスって……本当に?」

劇場の出口を出たところで半信半疑で聞くと、眞木は少し驚いた顔をして、本当だけど、と答えた。

「気付かなかったのか?」
「気付いたよ! なんかあたったなーとは思ったけど……あまりに眞木が普通だったから指先とかがあたっただけだったのかなって思って……」
「そんなわけねーだろ」

普通分かるだろって感じに笑う眞木に、思わずどうして?と聞くと、眞木は少し考えた後、ああ、場所?と答えた。

「大丈夫だろ、暗かったし」
「見られてたじゃん! さっきの女子高生に!」
「別に見られても困るとかじゃねーし、見られたところでもう会わないし問題ない」
「あるよ! 大体、映画館でキスするとかバカップルみたいで嫌だし……。
っていうか、そうじゃなくて! それ以前に!」
「落ち着けよ」




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