強引男子のイジワルで甘い独占欲
「気は……使わないけど」
「俺も今までと接し方変えるとかいうつもりもないし、それで何も問題ないだろ。
佐野が俺の事嫌いっていうなら話も別だけど」
探るように見てくる眞木に嫌いじゃないと答えると、柔らかく微笑まれる。
その顔を見て、なんでもないような感じに見えるけど、眞木なりに少しは緊張しているのかもしれないと思った。
急にキスしてきたくせに、今ちょっと緊張してたのか……なんか可愛いなって。
世の女性がときめくギャップってこういう事かと納得する。
「なんか……社内で人気爆発の眞木に好きだとか言われても、ちょっとすぐには信じられないし実感湧かなくて……。
だから今まで通りでいいって言ってもらえると助かる……ます」
眞木が緊張しながらも話してくれたなら、私も本音を言わなくちゃ。
そう思って、戸惑いながらも素直な気持ちを言葉にしたら、語尾がおかしくなってしまった。
それを眞木が笑って。
子どもみたいに笑う眞木に、私も思わず笑ってしまった。
彼氏にひどい裏切り方をされた私が。
その数か月後に社内一のモテ男眞木に告白されるんだから、人生何があるか本当分からない。