強引男子のイジワルで甘い独占欲


芸能人とまでは言わないけれど、社内の有名人の眞木とどうにかなろうなんて身の程知らずな考えは最初から一度もなかったし。
私自身も慎司との事があったばかりで切り替えもできていなかったしで。

それに、普段だったら見せないような弱い部分も眞木には全部さらけ出しちゃっていたから、今さら男として意識もできなかっていうのもある。
私の中の眞木は親戚のお兄ちゃんというか、そんな感じに近いかもしれない。

仲良くても、決して恋愛には結びつかない。

少なくとも、キスされるまではそういう意識だった。
だけど、ハッキリと告白されて挙句キスなんてされちゃえば、意識するのが普通ってもので。

しかも今週入ってから眞木と私の噂が勢いを増していたりするから余計に。

まぁ、あれだけ一緒にランチをとっていれば噂が大きくなるのは当たり前だ。
休憩室にいるのは50代の男性社員がほとんどだけど、その人たちは毎日のように私と眞木が一緒にいるところを見ているわけだし。
見る限り、みんな寡黙そうな人だし噂だとかには興味なさそうだけど、実際のところは知らないし、そういうところからじわじわと広まっていって今こんな事になってるのかもしれない。

自業自得といえばそれまでだ。


< 115 / 226 >

この作品をシェア

pagetop