強引男子のイジワルで甘い独占欲


集中できなくて、午前の仕事を早めに切り上げて向かった休憩室。
少し緊張しながらドアを開けると、中にはまだ眞木の姿がなくホっとする。

もっとも、眞木はいつも私より遅いからそれを見越してさらに早めに来たんだけど。
ひとりで気持ちを落ち着かせて、眞木がきたってドスンとした気持ちでいられるように。

大体いつも座る席に腰掛けてから、空いている向かいの席に眞木の姿を想像してじっと見つめる。
告白されてからも眞木はずっと普通だったんだから、今日だって何も意識しないで噂の件を怒ってやればいいんだ。

どうせ私が怒ったところで聞く耳持たずで、別にいいだろ的な言葉が返ってくるんだろうけど、それでいい。
周りに半分ケンカみたいに思われる会話はいつもの事だし、いつも通りの会話をこなす事で私も落ち着けるし。

だからまず、眞木が向かいに座ったら怒るところから始めよう。

よし!と気合いを入れて両方の拳を握りしめたところで、ドアが開いた。
咄嗟に視線を移すと眞木がドアを閉めるところで。
バタン!と割と大きめの音を立てて閉まったドアに、休憩室にいる数人の視線も眞木に移る。

それから、見てはいけないものを見てしまったような顔をしてゆっくりと各々視線を戻していった。
眞木が……ものすごく不機嫌そうな顔をしていたから。


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