強引男子のイジワルで甘い独占欲
「原因、おまえだし」
「は? なんで私……あ! 噂の事?! だから仕返しにやけになって噂肯定したの?
言っておくけど、付き合ってるとかって噂を広めたのは私じゃ……」
「別にやけになって肯定したわけじゃねーよ。
多少ムキにはなってたけど」
……なにその言葉遊びみたいな言い方。
眉間にシワを寄せながら眞木とにらみ合っていると、ついには休憩室に残っていた最後のひとりまでもが出て行ってしまう。
別にケンカをしているわけではないけれど、これじゃあ休憩室にいた社員の休憩の邪魔するのに私まで加担したみたいになっちゃうと、強くなってきていた口調を意識して落ち着かせる。
「ムキってなんで? なにかあったの?」
私の口調が静かになったのに気づいたからか、眞木も同じように意識してくれたみたいで、普通の会話くらいのトーンになる。
ただし、普通の会話、の頭には不機嫌そうなって形容詞が未だくっついたままだけど。
「あった。気に入らない事が」
「それに私が関係あるの?」
聞くと、眞木は気に入らなそうに眉を寄せた後、頬杖をついたまま目を伏せた。
「三坂と話してたろ。しかも結構親密そうに」