強引男子のイジワルで甘い独占欲


だから、まったく何言ってんだかって顔して見ていると。

「俺が好きになったんだから他の男も好きになるだろ」

おまえこそ何言ってんだって感じの顔で、そう言われた。

なんだその言い分は。
そう思ったけれど、例のごとくストレートすぎる言葉に心臓が過剰反応してすぐ返せない。

まるで水中にでも潜り込んじゃったみたいにあわあわしている私に、眞木がしれっとした顔で続ける。

「顔とか生意気そうだけど媚売ってくる女よりよっぽど可愛いと思うし、性格も嘘がなくていいと思うけど。
気は強いけど、気を使えないヤツじゃないし。
外見だとか強気なところも含めて、俺は全体的に気に入ってる」

窒息させられるかもしれない。
物騒だけどそんな事が頭をよぎった。

眞木の言葉はあまりに直球すぎて、脳内でどう対処すればいいのか分からず、アドレナリンとかエンドルフィンとか、ありとあらゆるものが分泌されて混乱させられる。
本当にもう勘弁して欲しい……。

好きかもしれないと思った男にこんな言葉を言われたら。
気持ちが思いきり傾いて“かもしれない”なんて曖昧な部分が振り落とされてしまう。





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