強引男子のイジワルで甘い独占欲


そう答えながら、私の後方にあるデスクにいる課長に、チラっと視線を向ける。
助けてください小谷先輩の私語が止まりませんという意味を込めて。

私が見るなり目があった課長を見ると、恐らく私が振り返る前からこっちを見てたんだろう。
そしてそれは注意するためじゃなく、野次馬として。

それでも、私の視線の意味は理解してくれたらしく、ゴホンと自分自身の気持ちを転換するためかひとつ咳払いをしてから小谷先輩に注意をしてくれた。
業務時間内にも関わらず、私語が止まらなくなって課長に注意される事が少なくない小谷先輩でも、お叱りを受けてから数日は大人しくなるからこれで今週はしのげるハズだ。

小谷先輩以外に私に直接眞木との真相を聞いてくるような社員は、少なくともこの課にはいないから、業務時間内の平穏は守られる。
あとは……昼休みと終業後か、と眞木を狙う女性社員からの攻撃を考えてため息をついた。

いくら冷たいし態度が悪いとはいえ、眞木に想いを寄せてる女性社員はきっとそれなりにいるだろうし、中には私に何かしら言ってくる人だっているだろう。
昼ドラ並みに、女のドロドロ劇場って言葉がぴったりなくらいの事をされたり言われたりするかもしれない。


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