強引男子のイジワルで甘い独占欲
でも……そうか。そういうからくりがあったから、誰も私に嫌がらせしなかったのか。
仕掛けてきたら返り討ちにしてやると意気込んでファイティングポーズをとっていたから肩すかしでもされた気分だった。
眞木がそういうところに気を回すなんて思わなかったから余計に。
外見が無愛想で態度が俺様だから、私も未だに表面上のイメージで捉えちゃう事があるけど、でもそう言われてみれば、眞木は気がつかないどころかむしろ色々と鋭いんだっけと思い直す。
それから、普段優しい男がぶん殴るなんて言ったところで効果は薄いだろうけど、普段から態度の悪い眞木だからこそ他の女性社員も信じたのかもしれないなと納得した。
なんだか、知らないところで守られていたとか、そういう女の子扱いってされ慣れてないせいか照れくさくて堪らないしむずがゆい気もするけれど。
何かお礼くらいはした方がいいのかもしれない。
お礼……。食べ物くらいしか思いつかないけど、他に眞木は欲しいものとかして欲しい事とかあるのかな。
眞木には今まで色々してもらってばっかりだったから、考えてみれば眞木のために私が出来る事を考えるのなんてこれが初めてかもしれない。
そう思って、ハっとする。
守られ慣れてないなんて嘘だ。
眞木はいつだって直接的にも間接的にも私を気にかけて守ってくれてた事に気づいて……胸がきゅっと締め付けられた。