強引男子のイジワルで甘い独占欲
自慢できる事ではないけれど、私は女の割にはあっさりとしている部類なんだと思うし、今まで付き合ってきた人にもよく可愛げがないだのそっけないだの言われてきたから、他人から見てもそうなんだろう。
この間まで付き合っていた慎司だって、もっと甘えてくれればいいのにとかもらしていたし。
ああ、だから朋絵みたいな子に惹かれたのかもしれないなと思うと納得がいって、胸につっかえていた小さなモノがストンと落ちた気がした。
もっとも、元々別れてから眞木のペースに乗せられていたせいできちんと悲しむ間もなく、気付いたら胸のつっかえなんてほとんどないに等しかったのだけど。
まぁとにかく私は恋人に甘えるようなタイプでも、毎週末会いたいだとか言うタイプでもないって事だ。
そんな私が土曜日会えないかなんて誘いをかけたんだから、一体どうしたんだと不思議に思ってもおかしくないのは分かるとはいえ。
待ち合わせ場所についた途端、「どういう魂胆だ」とか聞いてくるのはどうかと思う。
「魂胆なんかないけど」
「おまえ、付き合うってなったからって無理してないか?
俺、別に土日会えないくらいで機嫌悪くなったりしねーけど」
「それくらいで機嫌損なわれたら困る……って、そうじゃなくて。
ただ、お礼にご飯でもご馳走しようと思っただけ」
「お礼ってなんの?」