強引男子のイジワルで甘い独占欲
眞木を誘ったのは、木曜日の昼休み。
携帯の番号もメアドも知ってるけど、眞木とそういう電波通しの会話ってなんだか不自然に感じてしまって直接誘った。
そういえば眞木、誘った時も微妙な面持ちだったけど、あの時から私の誘いの裏に魂胆があるんじゃとか勘ぐってたってわけか。
まったく失礼なヤツだ。
待ち合わせ場所は、会社からほど近い場所にある公園。
眞木がどこに住んでるか分からないけど、会社の近くに引っ越したって言ってたから、会社近くなら眞木の負担にならないかなーと考えて選んだのはいいとして。
日中のこの公園はこんなにカップルが多いのかと少しげんなりしてしまう。
普段は通勤で通るくらいだから分からなかったけど、そんなに広くもない公園にカップルが点々としている。
ベンチに座っていちゃいちゃするカップルに、バカップルが……と心の中で毒づいてから視線を眞木に戻した。
「社内の人に、私に嫌がらせしないようにって釘刺してくれたみたいだから」
眞木は、ああと思い出したように呟いてから、顔をしかめる。
「別にあんな事に礼も何もねーだろ」
「でも、一応。おかげで今のところ無傷だし」
「女って怖いよな。木原がおまえにキレてんの見てつくづく思った」
そういえばあの時の話を眞木は聞いていたんだっけ。
朋絵が、振られたくせに堂々としてるのが気に入らないみたいな事を言った挙句、ずっと嫌いだったとか爆弾発言をしてた会話を。