強引男子のイジワルで甘い独占欲


1LDKって聞いてたけど、部屋は思っていたよりも広かった。
なんとなく一人暮らしってなるとリビング部分は8畳とか、あっても10畳かなって思っていたけれど、それよりも少し広めだ。
部屋に置いてある家具自体が少ないっていうのもあるものの、テーブルとベッドが置いてあるけど、そんなに圧迫感を感じない。

そんな部屋のキッチンに、一応私も眞木と並んで立ってはみたけれど……。
普段していない事が眞木の部屋にきたからって突如できるようになるわけもなく。

味噌田楽用のこんにゃく相手に手こずっていたところで包丁を奪われて、キッチンから半強制的に追い出された。

そして30分とたたずに出てきたのが、居酒屋も顔負けの四品の料理ってわけだ。
やきとりだけは買ってきたけど、それにしたって短時間で希望料理を作られたら文句も言いたくなるってものだ。

本来ならできなくちゃいけないのに私にはできない事だから。余計に。

「いただいてもいいですか?」

反省はこの辺にしとかないともうお腹が限界だ。

「どーぞ。足りなかったらまた作るから言え」
「うん。いただきます」

眞木の料理というより、元々男の作る料理には正直抵抗があった。
だけどそれは眞木がお弁当を分けてくれた一瞬だけで、その後はただすごいすごいという尊敬のみだ。
しかもそれが毎回おいしいから、もう抵抗のての字も見当たらない。

むしろ積極的に食べされてもらいたいくらいだ。


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