強引男子のイジワルで甘い独占欲


「眞木、好きだとか言って欲しいんだ。意外」

可愛く思えて思わず笑みをこぼした私に、眞木が眉間にシワを寄せる。

「おまえ、俺をなんだと思ってんだよ。普通、好きな相手が自分をどう想ってるかくらい気になるだろ。
ひとりで恋愛してるわけじゃねーんだから」
「そうだけど……。眞木は自分さえよければそれでよさそうだから。
付き合うって話になった時だって、付き合うだろ?って一択だったじゃない」
「それでも嫌だったら断るだろ。
それにおまえは俺の事嫌いじゃないってのは見てて分かってたし」

事実だとしても、こんな風に言われると恥ずかしくなる。

眞木のその辺の洞察力の鋭さは検証済みだから仕方のない事であってバレても当たり前だけど……。
まるで眞木への気持ちが溢れ出てたみたいに思えてしまって、居たたまれなくなってしまう。

「眞木はいいよね、そういう事言っても様になるから。そういうの、他の人が言ったら思い込みが激しいとか言われる……」
「誤魔化すな」

じっと、眉間にしわを寄せて見つめてくる眞木にたじたじになっていると、眞木がぐっと身体を乗り出すから手を後ろについて腰を引く。

「これ、告白しろって脅し?」
「別に脅してるわけじゃねーだろ」

じりじりと近づく眞木にもう少し後ずさった時、後ろについた手に何かがあたった。
それがベッドだって気づいて、逃げ道がない事に気付く。


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