強引男子のイジワルで甘い独占欲
そんなに大きくないテーブルを囲んでいたわけだから、眞木と私の距離はもともとそんなにない。
それなのにこんな風ににじり寄られてしまったら……ふたりの距離なんてあっという間に縮んでしまうのは当然だった。
目の前まできた眞木が真剣な顔で私を見つめる。
「俺が強引に押し切って付き合い出したのは分かってるし、おまえの気持ちがまだ俺にないならそれでいい。
ただ、どっちにしてもおまえの気持ちを聞いておきたいだけだから」
だから正直に言え。
そう言った眞木に、ドキドキと心臓が騒ぎ出す。
怖い顔されたからでも、追い詰められたからでもない。
自分の気持ちを……眞木を好きだって事を言わないとって思って緊張したからだ。
比べるものじゃないとしても、多分今の私の気持ちは、まだ眞木が私を想ってくれる気持ちよりも小さいかもしれない。
でも、それでも……こんな風に熱のこもった真剣な瞳に見つめられて胸が高鳴るのも、何気ない眞木の笑顔に嬉しくなるのも、眞木がくれる特別扱いに顔が緩んじゃうのも。
それは全部、私が眞木を――。
「……好き」
ぽつりと呟いてから目を逸らす。
恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
こんな密室で、こんな至近距離で、こんな風にじっと見つめられての告白なんて、相当のドMじゃなきゃ無理だ。
ただでさえ、こういう事を口にするのが苦手な私にとっては、こんなの嫌がらせの一種でしかない。
そうも思うのだけど……。
チラっと視線を戻すと、眞木が満足そうに微笑んだりしてるから。
今の恐喝を責めてやる気が失せてしまう。