強引男子のイジワルで甘い独占欲
間近から見てしまった眞木のレアな微笑みのせいで熱くなった顔を隠したくて思いきり俯くと、すぐに眞木の手が頬に触れてきて。
そんなに強い力じゃないけど、強制的に顔を上げさせられてしまう。
恥ずかしさから伏せていた視線。
近づいた眞木の気配にそっと上げると、ふっと微笑んだ眞木と目が合って。
それからすぐに唇が重なった。
優しく押し付けるキスに、そういえば前された時も優しかったなぁと思い出す。
眞木ってなんか噛みつくようなイメージあるのにと考えてから、でも本当に噛みつかれたら引くなと、キスの最中だっていうのに思わずふふっと笑ってしまって。
すぐにそれを眞木に咎められる。
「なに笑ってんだよ」
「だって、眞木のキスが優しいから不思議だなって思って」
「不思議でもなんでもねーだろ。噛みついて欲しいのか?」
「えっ」
にっと口の端を上げて意地悪く笑う眞木に、ぎくっと身体が揺れる。
怖い怖い怖い怖い……っ!
眞木の風貌なら本当にやりかねない気がして暴れるも、もとから至近距離まで追い詰められている状態じゃ大きな抵抗もできないし、眞木の胸を押していた両手は簡単に片手で拘束されてしまうしで……。
成す術がないっていうのはまさにこういう事かと、目の前まで迫り楽しそうな笑みを浮かべる眞木に思った。