強引男子のイジワルで甘い独占欲

「だから佐野と別れて木原と付き合えって？　バカじゃねーの。
あいつから男寝取っておいてよくそんな事言えるな」

神経疑う。
吐き捨てるようにそう言った眞木に、朋絵は一瞬黙った後声を荒げた。

「私っ、そんなつもりじゃ……っ」
「じゃあどういうつもりだよ。三坂とって、次は俺をとろうって？
ふざけんな」
「どうして？！　私が告白した時は応えてくれたじゃない！
他の誰の告白も受けなかったのに、私だけ……私の事、少しは好きだったからでしょう？　だったら……っ」
「俺は木原を好きだと思った事は一度もない。
あの時、木原の告白に応えたのは他に理由があったからだ」
「他の理由って……」
「木原が他の社員と話してるの聞いたから。
佐野の彼氏を奪って悔しがらせたいって話。その後すぐに俺に告白してきたから、どういうわけか分かんなかったけどとりあえず面白そうだから応えたまでで、木原に気持ちは一切なかった。
どうせ、俺に告白してきたのだって、佐野に見せつけるためだったんだろ？　社内で人気の高い男片っ端から狙ってたみたいだし」

知らなかった事実がどんどんと出てきて……しかも眞木の口から出てきて驚く。

でも……眞木の話が本当なら。
慎司は朋絵に利用されてるって事？
私が気に入らなくて見返して悔しい思いさせたいっていう朋絵の勝手なわがままに利用されたって事……？