強引男子のイジワルで甘い独占欲


「普段甘えてこないのに、今は甘えられてるっつーか、意地とかそういうの全部はぎ取った佐野が見られてるみたいで嬉しいって事が言いたかっただけだ」

こんな風に、と呟くように言った眞木が、今までのものとは比べ物にならないほどの快感を私の身体に埋め込むから、思わず眞木の身体に抱きつくと。
ほらな、と微笑まれる。

抗えない眞木の愛しそうに細められる瞳に見つめられて、私からキスを求めた。

やってる事は変態だしドSだし、次回からはもうちょっと事に及ぶ前に約束を増やそうとも思うけど。
眞木が私を想ってくれているのが全身から伝わってくるようで、嬉しくて堪らない気持ちになって泣きたくなった。

私が本気で嫌だって言っていないだとかそんな事を眞木が言ってたのを思い出して、確かにそうかもなと自分自身に呆れて笑いそうになりながら、眞木の身体に腕を回した。

「ちとせ……」と囁かれるように耳元で呼ばれる名前に、目尻に溜まっていた涙が落ちる。


なんとなく好きなんだろうなくらいでずっと核心に触れなかったけれど。
目の前の眞木に、なんだもうしっかり深いところまで恋に堕ちてたのかと今更ながら実感した。


私は。
眞木が好きなんだ。


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