強引男子のイジワルで甘い独占欲
「ただ、三坂は、おまえに何か話があるっぽかったんだろ? もしかしたら勘づいてておまえに確認したかったのかもな。
けど、自分から振っておいて次の女の相談を持ちかけるなんて最低だとか思い直して何も言わなかったんだろ、どうせ。
あいつ、変にプライド高いから」
「……まぁ、そうかもね。何事においても、こうでないとっていう理想を掲げる人だったし。
だから、朋絵に惹かれながらも、彼女の従兄妹を好きになって乗り換えるなんて最低だって思いから私とだらだら付き合ったんだろうけど」
「そんな自己満足な考えから付き合わされるとか最低だな。
つーか、考えてみるとおまえ結構ひどい目遭ったよな」
「考えるまでもなくひどい目に遭ったんだよ。
振られるのはまだいいけど、その直後に従兄妹と付き合いだすとか……親戚にバレたらやっぱり結婚するなら朋絵みたいなタイプだって事だろうって笑い者にされそう」
はぁ、とため息交じりに言うと、直後、眞木の大きな手が頭に落ちてきた。
撫でると言うよりは、半分叩かれてるんじゃないかってくらいの力で頭に着地した眞木の手が、そのままぐりぐりと髪をぐちゃぐちゃにしながら撫でまわす。