強引男子のイジワルで甘い独占欲



「……あ」

付き合って二年目になる三坂慎司と、新しくできたショッピングモールを探索中に、いとこの朋絵を偶然見つけた。
最も私が見つけたわけではなく、先に見つけて小さな声を上げたのは慎司だったけど、朋絵も慎司も私も同じ会社に勤めているから、慎司が朋絵の顔を知っているのは当たり前だ。

朋絵と私がいとこだっていう事も慎司は知っているわけだし、私より先に朋絵に気づいたって何の不思議もない。

だけど。
朋絵を見つけた慎司と、それに気づいた朋絵の表情がなんだかいつもと違って見えて。
なぜか漠然とした、胸をざわざわさせるような疑問が私の中に生まれていた。

「ちーちゃん達も買い物?」

近づいてきた朋絵が浮かべる笑顔も見繕ったように思えてしまって、返事が少し遅れる。

「うん。特に目当てのモノもなくぶらぶらしてるだけだけど。
朋絵は?」
「私もなんとなく」

そう微笑む朋絵の隣に視線を移すと、見た事のある顔が立っていた。


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