強引男子のイジワルで甘い独占欲


「俺は、女として好きじゃなければ、あんな風に抱かない」

こんな道の真ん中で真剣な話を持ち出した私も私だけど。
それに対しての答えだとしても、こんな事を言い出す眞木も眞木だ。

絶対に言葉の選択を間違ってる。

あんな風に、と言われて、一気にこの間の夜の事が頭の中に浮かび、顔が熱を持つ。
それを隠そうとして、まだ掴まれたままの腕に気付いてぶんぶん振った。

「離してよ」
「やだ」
「子どもか」
「なんとでも言え。そんな、見るからに俺の事好きだって言ってるような顔してるやつに言われてもなんとも思わないし」

ただ赤いだけで、そんな顔は絶対にしてないのに。
これ以上この話を続けても負けるのが目に見えているだけに、ぶつけたい文句やら反論をぐっと我慢して飲み込んだ。

「ドSのド変態」

それでも収まらない気持ちを込めてそれだけ言い、掴まれていない方の手で片頬だけ覆うと。
掴んでいた腕を離し、手を繋ぐ形に変えた眞木が歩きながら言う。

「俺、今まで恋愛には独占欲とか嫉妬とか、そういうの必要ないと思ってた。感じた事もなかったし。
自分と相手を縛り付けるだけのモンで持ってても面倒なだけだって」

ドSのド変態って言われた事はどうでもいいのか……。
悪口をスルーした眞木が言った事について考えていると、眞木が続ける。


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