強引男子のイジワルで甘い独占欲


「だから、井川と付き合ってる時もそういうのを感じない自分を不思議にも思わなかったし、うまく付き合ってるつもりだった。
でも、それは違ったっておまえと会って知った」
「え、そうなの? 眞木、よく妬くから元からそうなのかと思ってた」
「俺も今までは自分の事そうだと思ってた。独占欲とか持たない淡泊なタイプだって。
でも……今考えてみると、今までしてきた付き合いは、さっき言った通り異性として見てなかったからできた付き合い方だったんだと思う。
どうでもよかったわけじゃないけど、俺のもんにしておきたいだとかっていう感情もなかったし、友達の延長って言えばそれまでだった」

「けど、佐野は違う」と言った眞木が、私を見てにっと笑う。

「俺は自分を完璧な人間だとは思わないから、おまえが他の男になびくかもしれないって思うとハラハラするしイラつく」

あまりにはっきり言うもんだから、一瞬言葉を失ってなんて返せばいいのか分からなかった。
眞木はなんでもストレートだけど……こういう言葉まで真っ直ぐだから、本当に気を抜いているとカウンターを食らってしまって、どうしたらいいのか戸惑ってしまうから困る。

私は、やきもちすら認められずに八つ当たりしたっていうのに……。なんだか悔しい。


< 203 / 226 >

この作品をシェア

pagetop