強引男子のイジワルで甘い独占欲
「その言葉のどこに怒るポイントがあるの? 普通じゃない」
「佐野は、俺が別れろって言ったらそんなすぐ別れるのか」
「……だって、仕方ないじゃない。
眞木がそんな事言う時って、眞木の中で完全に終わった時でしょ。
それを私が別れたくないってすがったところで、変わらないのは分かるし」
相手がふらふらしてる優柔不断な男なら話も別だけど、眞木はそうじゃない。
なんとなく付き合ったりなんとなく別れたりできる男じゃない。
眞木が別れようなんて口にした時はそういう時だ。
だから、私が言った事は間違いじゃないハズなのに。
眞木は尚も気に入らないって書いてあるような顔でこっちを見ていた。
「え、当たってるでしょ?」
「まぁ、当たってはいるけど」
「じゃあ何が気に入らないの?」
聞くと、眞木は少し答えにくそうに顔をしかめて、後ろ頭をかく。
「別に気に入らないわけじゃねーよ。
ただ、俺が一方的に別れようって言ってんのにそれ素直に受け入れるんじゃ、三坂ん時と一緒だと思っただけ。
比べるもんでもねーけど、おまえん中で三坂を好きだったのと同じくらいでしか俺の事好きじゃねーんだなって」
「それが面白くなかっただけだ」と言う眞木に、一瞬呆気にとられた後、思わず吹き出してしまって。
でも、なんとか堪えようとしているところを、眞木にチョップを落とされる。
見上げると、眉を潜めた眞木が私を睨むように見ていた。