強引男子のイジワルで甘い独占欲
「俺は別れようなんて言わない」
付き合ってる最中の男女なんてみんなそんな事を言うよね。とは言わずに。
「私も言わない」とだけ笑顔で返した。
こんな約束バカバカしいし、熱の上がってる時の言葉なんて終わってから虚しくなるだけなのは十分分かってるけれど。
それでも、眞木の言う事を信じたかったし……なによりも、眞木を安心させてあげたかったから。
そのための約束なら、例え何十個でもできると思った。
それに、紛れもない本音だし。
十分、眞木への熱に浮かされている私の本音。
「それに、私は自信満々で何があっても平然としていられちゃうナルシストより、弱くて自分勝手で俺様な男の方が好き」
「……誰の事だ」
さぁね、と笑った私に、不貞腐れたような顔を浮かべていた眞木がふっと笑った。