強引男子のイジワルで甘い独占欲
「眞木さんの言うとおり、無神経すぎると思って言葉にできなかったんだ」
「まぁ……確かに無神経かもしれないけど、でも……私がこれから言おうとしてる事の方が無神経かもしれない」
慎司はただ利用されただけ。
それをこれから告げなくちゃならないのかと思うと胸が痛んだ。
だって慎司は朋絵を好きなんだから。
それにきっと近づいたのは朋絵からだ。好きだって言ったのだってきっと。
なのにそれが嘘だったなんて聞かされたら……慎司はどう思うのだろう。
そう考えるとなかなか続きを言い出せない私に、隣から眞木が「俺が言おうか」と聞いてきたけれど、首を振った。
そして、慎司と視線を合わせる。
「朋絵、私の事がずっと気に入らなかったって言ってた。
なんでも平気な顔して流すところが嫌いだったって。きっと、朋絵はそれが上手にできないで悩んでたんだと思う。だから余計に私の態度が嫌だったみたいで……私に勝ちたかったって言ってた。
だから……私から、三坂さんを……」
奪った。とった。
続く言葉が鋭利な刃物となって慎司を傷つける気がして言えずにいると、慎司は少し驚いた顔をしながらも私の言葉の先が分かったのか「そうか……」と呟く。
「私は、朋絵の気持ちを聞いたわけじゃないから、朋絵が三坂さんを本気で好きじゃなかったかどうかは分からないけど……。
私が眞木と付き合ってるって知って、朋絵、眞木のところにヨリを戻したいって言いにきたの。
先週電話したのは、それを伝えたかったから」