強引男子のイジワルで甘い独占欲
当然ながらしーんと静まり返ったテーブル。
置いてあるコーヒーやら紅茶やらがそれぞれ湯気を立てていた。
眞木と慎司はコーヒー。そして私はストレートティーで朋絵はレモンティー。
昔から変わらない好みを見て、急に昔が懐かしくなった。
私も朋絵も、気分に寄って変えるとかじゃなくて、いっつも同じモノを飲んでたっけと。
よく、おばあちゃんの家に集まった時なんかは親戚のおじさんやらに外で飲み物の買いだしを頼まれたりして。
私が行った時は当たり前のように朋絵にはレモンティーを買ってきたし、逆もそうだった。
飲み物だけじゃなくて、他の好みだってよく知っていたハズだ。
……なのに、どうして目の前にいる朋絵が知らない人みたいに見えるんだろう。
眞木が今までの大まかな説明をしてくれている間、そんな事を思いながら朋絵を見つめていた。
悲しいような切ないような、なんとも言えない気持ちでいると、不意に朋絵が視線を向ける。
そして、薄笑いを浮かべた。
「眞木さんから電話があった時には、私になびいてくれたのかなって思ったのに……そういう事ね。
私の事を慎司さんに話して、私を悪者扱いしようって魂胆だったのね」
静かに責めてくるような口調に黙っていると、隣の眞木が口を開く。