強引男子のイジワルで甘い独占欲



『――ちーちゃんへ。
慎司さんとの事、眞木さんとの事……引っ掻き回してしまってごめんなさい。
あの後……ちーちゃんとファミレスで話した後、少し冷静になって考えたら、なんて事をしたんだろうと気づきました。
謝って許される事ではないけれど……本当にごめんなさい。

私は、小さい頃からちーちゃんが羨ましかった。
なんでもハッキリ言えて、いつも清々しい顔をしているちーちゃんが羨ましくて……いつもちーちゃんみたいになれたら、そう思ってました。
ちーちゃんは誰に何を言われても平気な顔して笑っていてカッコよかったから。
そんなちーちゃんを見るたびに、ハッキリできない自分を思い知り、イライラしました。

だけど、イライラしたところで、私は結局何を言われても愛想笑いを作る事しかできなくて……。
日々感じ続けたものがいつの間にか胸の奥で形を変えて……ちーちゃんへの憎悪に歪曲してしまっていました。
そうする事で、何一つハッキリできない自分から目を逸らしていたのかもしれません。
ちーちゃんを嫌いだって、憎む事で。私の方が勝ってる部分を見つける事で……。

でも……結局私は、本当にちーちゃんが嫌いなわけじゃなかったから。
ちーちゃんに、嫌われるような事何かしたかって聞かれた時、ハっとしました。

全部ただの八つ当たりで、憧れがいつの間にか憎悪に変わってしまっていたんだって――』

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