強引男子のイジワルで甘い独占欲


そんなメールが朋絵から送られてきたのは、ファミレスでの事があってから一週間ほどが経った頃だった。

書いてあったのは、私への謝罪と朋絵の気持ち。そして、慎司とのこれからはきちんと考えるって事。
今回の事で朋絵がどんな事を思ったのかは分からないけれど、悪い方向には進んでいない事は分かった。

慎司との事もきっと。

「まったく。朋絵が私を羨ましいとか、嘘みたいだよね。
朋絵の方が女の子らしいしいいお嫁さんになるって、昔から周りに言われてたのに」

読み終わった手紙を差し出すと、隣に座った眞木がそれを受け取る。

仕事帰りに寄った眞木の部屋のテーブルには、いつも通り眞木お手製の料理が並んでいた。
眞木が手紙を読みながら先に食べてていいと言うので、遠慮もなしにじゃあいただきますと手を合わせる。

並んだお皿の上には、お好み焼きだとか野菜スープだとか、枝豆とか。
ものの30分で仕上げたとは思えない品が並んでいた。
もしかしたら今日寄るって話をしていたから、下ごしらえとかしておいてくれたんだろうか。

がさつそうに見えるのに意外とマメだから、そうかもしれない。
割とこう……尽くしてくれるっていうと言葉が行きすぎちゃうけれど、手をかけてくれるから。


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