強引男子のイジワルで甘い独占欲
「まぁ、好きじゃなきゃあんなに泣かないか」
「……そういうのは、口に出さないで」
「でも察したから」
「察しても言わないでよ。黙ってたんだから言いたくないの分かるでしょ。
その前に察しないで。
なにもう、眞木って鈍感だと思ったからご飯付き合ったのに……」
こんな詰問されるって知ってたらついてこなかった。
そうぶつぶつ文句を言いながらため息をつく。
「詰問? 俺がいつツラくなるほど問い詰めたんだよ」
「今私の心境で慎司との事聞かれるとか、精神的に詰問なの。
言い方がどうって問題じゃなくて」
そう言ってもう一度ため息をついた後、眞木に視線を移した。
「私とラーメン食べたいとか、どういうつもりで言ったの?」
眞木は表情一つ変えずに淡々と答える。
「別に。ただそう思ったから。
佐野、聞き流してたから、まさか覚えてるとは思わなかったけど」
「別に眞木が深い意味で誘ったとは思ってないよ。
どうせ、ひとりで食べたい気分じゃなかったとか、ひとりじゃお店に辿りつけないからとかそういう理由だろうって分かってるし」
「店に辿りつけないわけないだろ」
巨大迷路並みに迷っておいてどの口が言うんだ。