強引男子のイジワルで甘い独占欲


「まぁそういう事にしておいてもいいけど。
ただ私が言いたかったのは、ああいう言い方は変な期待させるからよくないって事だけ」
「でも佐野は期待しなかっただろ」
「だから、私は眞木が恋愛感情とかなさそうだしたまたまそう思ったけど、眞木に興味持ってる人ならそういう期待しちゃうじゃない」
「でも佐野は期待しなかったんだからそれでいいだろ」
「だからっ」
「それと俺はひとりじゃこの店に辿りつけないわけじゃない」

会話の中でこんなにも力のこもった“だから”を登場させたのはこれが初めてかもしれない。
なんていうか、眞木は聞き分けのない子どもみたいで、私の言い分をちっとも分かってくれようとしない。

そんなに鈍感じゃなさそうだから、もしかしたら分かった上で反論しているだけかもしれないけれど、それにしたって態度が大人の男のとるものとは思えない。

いい歳した大人がこんな風に聞き分けなく駄々こねてるところなんて初めて見た。

だけど、私だって勝気さだとか意地っ張り度なら負けず劣らず定評があるんだからと、まるで自慢になんてならない事を張り合おうとした時。
おまたせしましたー!と威勢のいい声と一緒にラーメンがゴトンと目の前に置かれた。



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