強引男子のイジワルで甘い独占欲


「群れる。庇いあう。話の終着点が見えない」
「群れるのは男よりはそういう人が多いだけだよ。ひとりでいられる人もいるし。
ああでも私はひとりで外食できないけど。それも人によるし」
「やたら庇いあうのは? あと、謙遜しあう気持ち悪い感じの会話とかよく聞く。
今日可愛いだとか、そっちこそ可愛いシュシュだとかそういう感じのやつ。
そもそもシュシュってなに」
「髪結ぶふわふわした感じのゴムの事。
あ、ほら、私が今……」

つけてる感じのやつ。
今日は左耳の辺りでシュシュでひとつに束ねているから、それを見せようと指で指し示すより先に、眞木の手が伸びてきてそれに触れた。

光沢のあるシャンパンゴールド色した生地で端はレース状になっているシュシュは少し前に買ったものだけど、お気に入りでよく使っている。
大きめではあるけれど、あまり凝った髪型をしない私にはこれをつけるだけでなんとなく華やかになるから気に入っているのだけど……。

「へぇ、これの事か。そういえば会社の女もやたらつけてる気がする」

そう言いながらシュシュを触る眞木の指が耳にあたってくすぐったい。
もういいでしょ、と手を払うと不思議そうにされた。


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