強引男子のイジワルで甘い独占欲


「佐野さんが他の女子グループが眞木さんの事で騒いでるの見てうるさそうにしてたの知ってるし。
でも、噂聞いてもしそれが本当だったとしたら、うるさかったんじゃなくてやきもちで嫌な顔してただけなのかなとも思って、そうしたら辻褄があっちゃったから……もしかしたらって」
「嫌な顔してたのは、実際うるさかったからです、多分。
眞木さんに対しては、特にどういう感情もないですし。……言い寄られてばっかで大変だなってくらいで」
「そうだったのー。じゃあ噂デマなのね。誰かが話してるところ見かけたら嘘だって言っておくね」
「噂、結構広まってるんですか?」

小谷先輩は、噂をかなり早い段階で入手していると思うから、本格的に広まるとしたらこれからだとは思うけれど、一応規模を知りたくて聞いておく。
相手が相手だし、少し嫌な予感がしたから。

小谷先輩は、んーと少し考えた後、苦笑いをして私の不安を後押しした。

「だって相手があの眞木さんだもの。
いくら嘘だっていっても、誰かひとりと噂になる事自体珍しいから……ちょっと結構広まっちゃってるかも」

『ちょっと結構』って結局どっちだとも思うけれど。
本当は結構広まっちゃってるけど、私に気を使ってちょっとなんて言ったんだと判断する。




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