強引男子のイジワルで甘い独占欲
肉団子とパプリカの炒めモノは、砂糖醤油と酢の合わせ調味料で炒め煮した後水溶き片栗粉でとろみをつけただとか、料理を褒められて上機嫌になった眞木が教えてはくれたけれど。
作り方を教えてもらったところで私には到底作れそうな品物ではなかった。
その前にまず肉団子の作り方から分からないから仕方ない。
買い出しに行って食材に悩むレベルだ。
ひき肉は鶏でもうまいとか言ってるけど、ひき肉に種類があるなんて事自体初耳の私は、さっきみたいになるほどねって見栄を張る事さえ忘れ、目をパチパチとさせる事しかできなかった。
出し巻き玉子も、私が何度か作った事のある甘いだけの玉子焼きと違って、デパ地下でいい値段で売っているお弁当に入っているような代物で。
最初に感じていた、男に負けた……という感情は食べ進めていくにつれどんどんなくなっていき、食べ終わった頃にはただすごいと思う気持ちしか残っていなかった。
料理ができるってすごい事なんだとまざまざと見せつけられて言葉もない。
「ごちそうさまでした。お弁当とってすみません……」
「敬語やめろ。気持ち悪い」
「外見いいのに料理もできるとか、他の男からしたら嫌味でしかないよね。
っていうか、もはや女の私からしても嫌味でしかないよ」