強引男子のイジワルで甘い独占欲
眞木には意地を張ったって仕方ないとは思ったけれど、だからってなんでもかんでも気持ちをさらけ出して素直になるのは性格的に難しく。
肯定する代わりに黙っていると、眞木が続ける。
「佐野がいつまでも三坂の事引きずってんのって、木原の事認めてないから?」
いつまでもって、まだ一ヶ月弱やそこらじゃないとは思ったけれど、それよりも朋絵の名前が出てきた事に驚いて眞木を見上げた。
「なんで?」
「木原の事自分と同等かもしくはそれ以上のいい女だって認めてたら諦めもつくだろ、普通」
「そうかな……。なんか、逆な気もするけど」
「逆?」
「例えば朋絵がすごく嫌なヤツとかだったら、そんな女に引っかかって慎司もバカだなってスッキリ諦めもつくのかもしれないなって。
そしたら、そんな慎司を好きだった自分もバカだったんだなって笑えるのかもしれないけど……」
朋絵はいい子だと思う。
私がそれを認めるだとかは偉そうになってしまうけれど、女の私から見たって女性らしい子だ。
一歩引いてくれる性格も家事が得意なところも、同じ女として感心してしまうほどに。